乳がん検診、または乳房に何かしらの症状がある方が受ける検査にはいくつかの種類があり、痛みの程度は検査方法や、その方の感じ方によって異なりますが、あくまでも参考までに、痛み指数 0=なし 1=軽度の痛み 2=中程度の痛み3=強い痛み 4=耐えられない痛み、で評価してみました。
「マンモグラフィ検査」とは、乳房専用のX線撮影装置を使った検査のことです。乳房を圧迫し、できるだけ平たくしてから撮影します。これは診断に適した画像を撮影するためだけでなく、X線被ばく量の軽減にもつながります。
当クリニックでは、痛みを軽減できる圧迫装置を採用しています。さらに女性技師が細やかに声かけを行い、できるだけ皆さんの痛みを和らげることができるよう、努めています。
むねが小さいから、あるいは大きいから痛みが強い、ということではなく、乳腺の密度や皮膚の張り、生理周期などが影響するため、生理が始まってから1週間後を目安に受診するようお勧めしています。
超音波検査は、プローブ端子を乳房にあてることで乳房内部の状態をリアルタイムで観察でき、厚い乳腺の中にある腫瘤(しこり)も検出できます。多くの病院や検診施設では、検査技師が担当しています。当クリニックでは、医師が超音波検査を行い、その場で画像をお見せしながら結果についてお伝えしますので、ご自身の乳房の状態の理解も深まるのではないかと思います。
上記検査で異常が見つかり、さらなる精密検査が必要な場合には、下記検査を行います。どちらの検査を受けていただくかは、病変の状態により異なりますが、十分な説明を行い理解していただいた上で、検査を行っています。
採血を受けるときと同じサイズの針(当院では0.7mmの針)を「しこり」に刺し、細胞を吸引してガラスに吹き付け、これを病理医に診断してもらいます。麻酔は使わず、傷も残らない検査ですが、採取された細胞の量や、「しこり」のどの部位から採取されたかなどの条件により、「しこり」の本当の姿が見えてこないこともあります。
細胞診断に使用するものよりも太い針(当院では2.1mm)を使い、「しこり」の組織の一部を採取するもので、麻酔を使って行います。組織診断には専用の器具を使用し、麻酔で痛みはほとんどありませんが、不安なく行えるよう配慮しています。確実に「しこり」から採取されれば、確定診断に至る確率が高い検査方法です。
マンモグラフィ検査では
*出来る限り乳房全体が含まれるよう、
*病巣の疑いがある部位の位置を推定できるよう、原則2方向(左右で4枚)撮影を行います。
斜め上から圧迫板で乳房をはさみます。乳房の全体を最も広く撮影でき、乳がんのできやすいところ(乳房の外側上部)もしっかり抽出できます。
上から乳房をはさみ、MLO撮影では抽出しにくい、乳房の内側を含めて画像にすることができます。
マンモグラフィ検査は、乳房を圧迫板ではさみ、引きのばして撮影を行います。 個人差はありますが、圧迫の際に多少痛みを伴うことがあります。
痛みが出るほど圧迫する目的は、乳房を薄く引きのばすことで放射線照射量を減らし、かつ乳腺の重なりによる病変の見逃しを防ぐことなのです。
つまり、身体への負担を軽減することにもなるのです。痛みの程度を確認しながら圧迫を行いますが、我慢できないほどの痛みがあるときは遠慮せずにおっしゃって下さいね。
初めてマンモグラフィを受ける方の多くが、検査に対してマイナスイメージを持っているようです。中には、マンモグラフィ検査を受けたことがある周囲の方から「すごく痛かった」「もう二度とやりたくない」と聞いたので、今日は覚悟して来ました!とおっしゃる方もいらっしゃいました。
医療機器は日々改良されていますが、検査時の『痛み』を軽減する為に、マンモグラフィ装置も日々進化しています!
当クリニックでは富士フィルム株式会社の「AMULET」というマンモグラフィ装置を使用しています。
この装置のポイントは、乳房を押し広げる板、
その名も「FS(Fit Sweet-フィットスウィート)圧迫板」。
「FS圧迫板」は乳房全体にフィットし、厚みによって発生する局所的な圧力を分散させることで、痛みを軽減させています。
おわかりいただけるでしょうか?パネルを装着している箇所(赤い点線で囲まれている箇所)が、従来のパネルは固定されていますが、FS圧迫板の方は対象物に合わせ、可動するようになっています。
当クリニックで検査を受けた多くの方が「思ったより痛くなかった」「全然痛くなかった」「我慢できるくらいの痛みだった」とおっしゃっています。
もちろん痛みの感じ方には個人差がありますが、マンモグラフィ検査が誰にとっても『耐え難い痛み』という訳ではないことも知っていただき、一人でも多くの方が検診に足を運んで下さるといいな、と思います。